溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
昨日抱かれたばかりで、彼の温もりの残る体ががたがたと震えだす。


「澪?」

「ごめん、ちょっと体調が悪くて。少し休憩してから宴会場の手伝いに行くね」


昨日からの胸騒ぎはこれだったの?
考えれば考えるほど、大成さんの様子がおかしかった。

私は唖然とする百花の前から去り、あてもなく歩き続けた。
ひとりになりたかった。

回収したリネン置き場でやっと立ち止まり、胸を押さえる。


「大成さん……誰なの?」


腕を組んでいた女性って、誰?


百花の『仕事だとは思えなくて』という言葉がリフレインする。
仕事で交渉相手が女性だということもあるだろう。でも、腕を組むことなんてない。

『お前だけを、愛してる』と言ってくれたのに。

混乱したまましばらく呆然として立ち尽くしていた。


休憩時間ぎりぎりまで、私はそこにいた。

だけど今は仕事中。大成さんだってそうだ。
プライベートな話なんてできないので、彼にたしかめることもできない。
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