溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「頑張ろ」


なにがあったのかわからない。

けれど、大成さんも中野さんも、アルカンシエルのために身を粉にして働いているはずだ。
末端の私たちも、アルカンシエルの明日を作るひとつの歯車になれればいい。

私はそう気持ちを入れ替え、夜に大きなパーティが行われる宴会場のセッティングに向かった。


「澪。平気?」

「うん、大丈夫。あっ、テーブルクロス持ってくる」


『大丈夫』なんて言ったけど、間違いなく強がりだ。
百花にそれを悟られたくなくて、私は逃げた。

それからは一心不乱にセッティングに携わった。

パーティが始まる十八時前になんとか終え宴会場を出ていこうとすると、女性と一緒の大成さんのうしろ姿に気づいてしまった。

百花の言った通り、隣にいる女性は彼にぴったりくっついていて、まるで恋人。
足がすらっと細くスタイル抜群の彼女はいったい誰?
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