溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
それからは千代子さんとの接触はなく、中野さんに助けを求めることもなかった。
私は仕事から帰るとすぐにピアノの前に座り、夜遅くなるとヘッドホンをして鍵盤を叩き続けた。
大きなブランクを二週間で埋められるわけがないことは、百も承知だ。
だけど、ほんのわずかでもうまく弾きたい。
選曲は自由だと言われたので、カノンに決めた。
大成さんに初めて聞いてもらった曲だからだ。
二日後、大成さんが帰国すると聞いていたのに、二十二時を過ぎても彼は姿を現さない。
やっぱり会えないのかもしれないと肩を落としつつ、ひたすらピアノに没頭していた。
しかし、何度も何度もカノンを弾いて少し疲れを感じたところで、突然うしろから抱き寄せられ、息が止まる。
「澪」
「大成、さん……」
彼は私のしていたヘッドホンをとり、私の顔を覗き込む。
「素晴らしい演奏だったよ」
いつからいたの? 全然気づかなかった。
「そんなこと言ったって、聞こえなかったでしょ?」
ヘッドホンをしてたんだから。
私は仕事から帰るとすぐにピアノの前に座り、夜遅くなるとヘッドホンをして鍵盤を叩き続けた。
大きなブランクを二週間で埋められるわけがないことは、百も承知だ。
だけど、ほんのわずかでもうまく弾きたい。
選曲は自由だと言われたので、カノンに決めた。
大成さんに初めて聞いてもらった曲だからだ。
二日後、大成さんが帰国すると聞いていたのに、二十二時を過ぎても彼は姿を現さない。
やっぱり会えないのかもしれないと肩を落としつつ、ひたすらピアノに没頭していた。
しかし、何度も何度もカノンを弾いて少し疲れを感じたところで、突然うしろから抱き寄せられ、息が止まる。
「澪」
「大成、さん……」
彼は私のしていたヘッドホンをとり、私の顔を覗き込む。
「素晴らしい演奏だったよ」
いつからいたの? 全然気づかなかった。
「そんなこと言ったって、聞こえなかったでしょ?」
ヘッドホンをしてたんだから。