溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「嘘……」


だって、予約が何カ月も先まで埋まっているという噂の、カリスマ美容師だよ?


「素材がいいと腕が鳴る」


私の心配はよそに、渡会さんはにっこり笑う。


「渡会、澪は俺のだからな」

「わかってるよ。手なんて出したら、殺されかねない」


大成さんのあからさまな独占欲に頬が赤らんでしまう。


「悪い。俺、これから用があって、失礼するよ」


すると一ノ瀬さんが口を挟んだ。


「うん。サンキュな」

「どういたしまして。澪さん、今度着心地を教えてくださいね。それでは」

「はいっ。素敵なドレスをありがとうございました」


一ノ瀬さんは爽やかな笑顔を残して帰っていった。


「さて、早速だけど始めようか。このドレスを着るんだね。背中が結構開いてるけど、隠さず見せたほうが断然よさそうだ」


渡会さんの言葉に、大成さんは顔をしかめる。


「隠してくれ」

「今日は我慢しろ。主役は澪さんなんだ。一番きれいに見える状態で送り出してあげるのも、男の使命ってやつだろ」
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