溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
本城さんのひと言で、夢から覚めた。

舞い上がっている場合じゃない。
しかも広告塔って……逆効果にならなければいいのだけど。


「本当にありがとうございました」


玄関まで行き、大成さんと並んで頭を下げる。
すると、渡会さんが口を開く。


「緊張していらっしゃるかもしれませんけど、大丈夫ですよ。澪さんは八坂が選んだ人なんです。俺たちは見た目の手伝いしかできませんけど、八坂を信じて最高のパフォーマンスをしてくださいね。それでは」


渡会さんはそう言うと、にっこり微笑んで帰っていった。


「まったく、余計なことを」


ドアが閉まると大成さんがつぶやく。
もしかして、照れ隠し?


「大成さん、こんな用意までしていただいて、ありがとうございます」


シンデレラになった気分だ。


「俺にできることなんて、あんまりないから」


彼はそう言うが、十分すぎる。
そもそもこんな勝負は辞めてもいいと言ってくれたのに、やると言ったのは私だ。
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