溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「え……」

「わかって、ます」


念を押すようにそう口にした彼女を唖然として見つめると、耳まで真っ赤にしてうつむいてしまう。

正気、か?


「澪?」


もう一度彼女の名を口にすると、澪は意を決したように顔をグイッと上げた。


「だって、大成さんに触れてほしくて……」


徐々に声が小さくなっていく。

なんだ。かわいすぎるじゃないか。
途端にバクバクと音を立て始めた鼓動に気がつきながら、必死に普通の顔を作り言葉を紡ぐ。


「それじゃ、おねだりしてごらん?」

「おねっ、おねだり?」


動揺しすぎて噛んでいる澪が愛おしくてたまらない。
今すぐその唇を塞いでメチャクチャにしてしまいたい。


「だって触れてほしいんだろ?」


ギリギリのところで理性を保ちながら、もう一度ダメ押しをする。
触れたくてたまらないのは、俺のほうだけどな。
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