溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
焦りまくる私をよそに、彼は肩を震わせて笑っている。


「だから俺ん家。大丈夫、ベッドはキングサイズだし、服も俺の貸してやる」

「そういう問題じゃなくて!」


なに言ってるの?


「けど、帰れないじゃん」

「あっ、百花に電話……」


彼女に持ち出してもらおうと思ったものの、スマホもロッカーだ。
電話番号、覚えてないや。

ホテルに電話して呼び出してもらうことも考えたが、おそらくもう帰宅している。


「はー」


なんの手段もなく盛大なため息をつくと、彼は「泊めてやるから心配するな」と涼しい顔をしている。


「でも!」


今日初めて会った男の人の家に泊まるなんて、ありえない。


「それじゃ、どうする? 財布もないよね」

「そうですけど……」

「心配するな。今日は俺も疲れてる。手を出したりはしない」

「なっ……」


ズバッと心配していることを言われて、顔が沸騰する。


「それとも期待してる?」

「してません!」


鼻息荒く返すと、彼はケラケラ笑った。
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