溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
「澪。お前の婚約者は俺なんだぞ。一ノ瀬に目を輝かせすぎ」


だって、憧れのブランドの社長さんが目の前にいるんだもの。
しかも、彼がデザインしたたった一枚の洋服を私が着ているなんて、夢のようだ。

というか、婚約者じゃないし。


「澪さんとおっしゃるんですね。とってもお似合いですね。試作品がいろいろありますので、よければまたこっそりと差し上げますよ」

「えっ、本当ですか?」


ダメだ。テンションが上がりすぎて、抑えられない。


「一ノ瀬、物で釣るな。澪は俺のだ」

「わかってるよ。お前の大切な人に手を出したりしないから安心しろ」


一ノ瀬さんは大成さんに反論しているが、そもそも私は大成さんの“大切な人”なんかじゃない。
それなのに、彼の所有物のような言い方をされ、戸惑ってしまう。

しかし、婚約者ではないことがバレたら困るのかな……と思い、黙っていることにした。
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