日向 HIMUKA
この一見不気味な風貌の中に隠された、
ごくたまにのぞかせる優しげなまなざしは、
知る人ぞ知るしろものなのだ。
風邪でもひいたのか、
日向は、顔のやく半分をマスクで覆っていた。
「いつからそこにいたの?」
ぼくは、
一人言を聞かれた気恥ずかしさをごまかそうと、
早口で言った。
「数日前じゃが」
「全然知らなかった」
「いつもそこにいるからな。そこからではあまり目につかんじゃろ」
日向は、
さっきまで潜んでいたゴミ置き場の裏を指さして言った。
「あそこはいい風よけになる」
霊媒師というものは気まぐれらしく、
一箇所につねにいるというわけではない。
特に一人者の日向は、
風の向くまま、気の向くままという風に、
あちらこちらに出没しては、世の迷える人々を救っているらしかった。
ごくたまにのぞかせる優しげなまなざしは、
知る人ぞ知るしろものなのだ。
風邪でもひいたのか、
日向は、顔のやく半分をマスクで覆っていた。
「いつからそこにいたの?」
ぼくは、
一人言を聞かれた気恥ずかしさをごまかそうと、
早口で言った。
「数日前じゃが」
「全然知らなかった」
「いつもそこにいるからな。そこからではあまり目につかんじゃろ」
日向は、
さっきまで潜んでいたゴミ置き場の裏を指さして言った。
「あそこはいい風よけになる」
霊媒師というものは気まぐれらしく、
一箇所につねにいるというわけではない。
特に一人者の日向は、
風の向くまま、気の向くままという風に、
あちらこちらに出没しては、世の迷える人々を救っているらしかった。