日向 HIMUKA
ぼくは、
母さんにあれこれ追及されないように
身をかくしながら、
ステンレスの水筒に
ホットココアを注ぎ入れた。

日向のことだ。
素直に喜ぶとは思えないけれども、
まぁいいやって気がする。

誰かの為に何かをするってことが、
それだけでうれしい事なんだと初めて気付いた。

「ふん、これぐらいの寒さどうってことないわ」

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