あたしはモデル。【完】
「…どういう事?」
怪訝な表情で拓夢が聞いてきた。
その問いに答えるため、大きく息を吸い込む。
怖い。
すべてが終わるかもしれない。
でも、きっと大丈夫だ。
こんなにも、拓夢が握ってくれている手が温かい。
「山本 隼人(ヤマモト ハヤト)…って知ってる?」
一人の男の人の名前をあげる。
私の大切な人。
「知ってるもなにも…
あの人気モデルだろ?
でも、最近姿見てないな…」
その時、拓夢はハッと顔をあげた。
「山本って、もしかして…」
「そう。彼は…
私の兄なんです」