あたしはモデル。【完】
「全部話すから、聞いてほしい。」
「ああ。」
話したら拓夢もう、私のこと嫌いになっちゃうかもしれないな。
世間にだって、バラされてしまうかもしれない。
でも、それでもいいと思った。
私も勇気を出して、気持ちを伝えたくなったんだ。
「もうわかってると思うけど私は、峰山桜でもあり、山本桜でもある。
峰山桜は、一年前に私が作り出した人物。
本当は、年齢も21歳じゃない。
16歳の高校1年生」
「……。」
拓夢は、真剣な表情で私を見ていた。
「山本ではなくて峰山を名乗った理由は、単にモデルの“峰山 桜”と一般人の“山本 桜”を同一人物だと気付かれないようにするため。
21歳という年齢にしたのは…
私が、あの人になろうと思ったから。代わりに意思を、継ぎたかった。」