あたしはモデル。【完】
「お兄ちゃんは、モデルでやっと人気が出てきたところだって言ってたけど、本当はもう、すごいモデルだったみたいだね。」
私はテレビとか雑誌とかあまり見ないから、わからなかったけど。
お兄ちゃんの活躍を、ちゃんと見ていればよかったと何度後悔したか。
「お兄ちゃん、夢があったの」
“世界一のモデルになってやるっ!”
「夢は、確実に近付いてた。
あんな事件さえ起こらなければ、お兄ちゃんの夢は叶うことだってあったかもしれない。」
けどもう、お兄ちゃんはいない。
そしてその時の私は
これからの私に出来る事を必死で考えた。