あたしはモデル。【完】
私のしていることは、お兄ちゃんに対する裏切りなんじゃないの、って。
お兄ちゃんを芸能界から消したくせに。
なのに私は今、芸能界にいる。
私は、自分が何をしたいのか、完全に見失った。
でも、もういい。
「これがすべて。
私は拓夢にも、ファンの人達にも、嘘をついていた。
…結局、お兄ちゃんも裏切った。
私のことは、世間にバラしてもらっても構わない。」
もう、いいんだ。
心が、限界だったから。
むしろバラしてよ。
そうしたら私は、この闇から解放される気がするから。
「……さねぇよ」
「っ、」
なんで。