あたしはモデル。【完】
グイッ
叫ぶように言った私はまた、拓夢の腕の中へと引きずり込まれた。
「なら、モデルやめんな。」
「もう、無理なの。
自分のためだけに、モデルは続けられる自信がないの…」
「なら、」
私を抱きしめる力が強くなる。
拓夢の茶色い髪の毛が頬に当たって、シャンプーの香りがした。
「なら、俺のためにモデルやってくれ。」
「っ、」
「俺のせいでモデルをやっているんだと思え。
桜の罪悪感を、俺も背負うから。」
なんで、この人はこんなにも
私が求めていた言葉をくれるのかな。
「好きだ、桜。
大好きなんだ。」
「ばかじゃないの…っ」
バカだ。拓夢は。
「桜が好きだから、ずっと」