あたしはモデル。【完】
私の涙腺は、崩壊したかのように涙が止まらない。
拓夢は笑って、私の涙を優しく指ですくった。
「すごい顔だな」
「み、みないで…!」
「泣き顔も、好きだけど。」
「っ!?」
「やっぱり、笑顔が一番だな」
恥ずかしいから、本当にやめてほしい。
でも、はにかむように笑う拓夢を見ていたら、やっぱり好きだなぁ…と思った。
拓夢を見ていると胸が温かくなって、嬉しくて、切なくなる。
「桜、前に言ったの覚えてる?
“私は、自分自身なんて全く出せてない。出してない。嘘ばかりつく汚い最低な女だ”って。」
あ…
確か、拓夢が私に2度目の告白をしてくれた時だ。
「その時の桜の表情がさ、すごいつらそうだった。
俺、桜のあの顔は嫌だ。」
「……。」
確かに、つらかったのは覚えてる。
でも私、そんなにひどい顔してたのかな?