アナタに逢いました
恭哉はふふふと笑いながら拳を合わせてイチさんを見送って番号を登録すると、私に向きあった

「で?オレに言うことは?」

「は?」

「は?って…オレは好きだよ、きりんの湖ちゃん…」

恭哉は腰から引き寄せて私を腕の中に抱き締めた
柔らかい甘いような恭哉からのぼる匂いにくらくらする

「えと…私も…好き…かな?」

「かな?って…そこは好きって言えよ…はぁ」

「だって…」

恥ずかしいし…

「うっせぇ…」

唇に咬みつくように口付けられ
音をたてて数回吸われた唇に

「ほら、合わせてみ?」

なんて絡め捕られて口内を動き回る舌に息も苦しい
どちらのか分からない銀の滴が行ったり来たりしても止められない痺れに酔いしれて
…頭がぼーっとしてきて…

暫く二人で夢中で口付けていたら

恭哉の長い指が私のニットの下に潜り込む

「ん…」

冷たさに思わず声が漏れたその時…


後ろから

「ん、ん、んーっっ!!!」

とわざとらしい咳払い

慌てて離れると
恭哉は私の顔を胸に押し付けるように抱き止めた

(んぐ…)

「あれ?柳川さん…早くない?」

「充分待ったよ?恭哉くん…」

「早すぎだよ?」

恭哉は悪びれもせず小首を傾げた

(ず、図々しいヤツ!!しかも何?その可愛いしぐさ!)

「ハハハ…それにさすがにここでソレ以上は…ゴニョゴニョ…」

柳川さんの苦笑が聞こえた

「チッ」

「舌打ち?アリエナイよ恭哉…」

「うっせぇ」

恭哉は拗ねたように呟くと閃いたように目を見開いてから私をひょいと肩に担ぎ上げた

「うわっ、あ、ちょっ!」

(抱き方…)

「お姫様だっことかないわけ!!仮にもスターでしょ!!」

「え?あ、湖は軽いけどデッカイから。この方が楽…」

確かに楽々と肩にひょいと担ぎ上げられているけど…

「恭哉くん…色気ないよ…」

柳川さんまで呆れている

「いーんだよ。家着いたらイヤって言うほど甘やかしてやるから」

見下ろす私にペロリと恭哉が唇をなめて見せた
その妖艶な姿にドキドキしてしまう…

「は?家?」

私の言葉なんてお構いなしに恭哉は柳川さんに向かってピースした

「じゃ、行くよ?…柳川さん車呼んでくれてありがと!」

「うんお疲れさまー、きりんちゃん明後日ね!」

(そうだ、明日はお休みだった)

「は、はい、失礼しますー!あー!おろせー」

「やだ」






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