私はそんなに可哀想ですか?
「お、おはよう」

「もしかして私がもうこのバスに乗ってこないと思った?」

イタズラっぽく笑う浅田に俺は無言で頷いた。

「まさか、せっかくいつもバスで会う素敵な人が同級生だってわかったのにそんな勿体無い事しないわよ」

同級生と会って何も話さない方が不自然でしょ?と浅田は付け加える。それはそうかもしれないが、それは何もないただの同級生の場合ではないだろうか?

浅田は俺が思っていたよりずっと豪胆だった。

「なるほどな」

俺は苦笑してそれ以上は何も言わなかった。



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