四面楚歌-悲運の妃-
その衝撃で、足は止まってしまう。
微かに吹いていた風も急に止まる。
な…んだ?
顔を動かさず、視線だけを下にやる。
か…め…ん!?
「なんの騒ぎですか?
今杞王妃様が慌てて出て…え…!?」
ガシャン
手に持っていた、お茶がすべり落ちる。
威仔…!?
なんて事だ…。
こんな場面に威仔までも来てしまうなんて…。
仮面が
取れて…
全身の血の気がひき、汗が吹き出る。
隠さなければ…
は、早く仮面を!!
慌ててしゃがみ込み、仮面に手を伸ばす。
けれど、その手は仮面に触れる事なく、別の手によって拾い上げられる。
え…?
拾い上げられる仮面を辿る。
『李燗…。』
眉間にシワを寄せ、私を見つめる李燗の姿があった。
「何が起こったの?
なぜ、そんなに焦るの?」
あぁ…そんな…
仮面がなければ隠せない。
身体が震え出す。
答えなければ…
答えなければ、李燗が怪しむ。
変に思う。
でも、なんと答えればいい?