四面楚歌-悲運の妃-




その衝撃で、足は止まってしまう。


微かに吹いていた風も急に止まる。


な…んだ?



顔を動かさず、視線だけを下にやる。



か…め…ん!?




「なんの騒ぎですか?
今杞王妃様が慌てて出て…え…!?」


ガシャン


手に持っていた、お茶がすべり落ちる。


威仔…!?


なんて事だ…。


こんな場面に威仔までも来てしまうなんて…。


仮面が

取れて…



全身の血の気がひき、汗が吹き出る。


隠さなければ…


は、早く仮面を!!


慌ててしゃがみ込み、仮面に手を伸ばす。


けれど、その手は仮面に触れる事なく、別の手によって拾い上げられる。


え…?



拾い上げられる仮面を辿る。



『李燗…。』



眉間にシワを寄せ、私を見つめる李燗の姿があった。


「何が起こったの?
なぜ、そんなに焦るの?」


あぁ…そんな…


仮面がなければ隠せない。


身体が震え出す。


答えなければ…


答えなければ、李燗が怪しむ。


変に思う。


でも、なんと答えればいい?


< 166 / 390 >

この作品をシェア

pagetop