四面楚歌-悲運の妃-
姜賢妃様…まだお会いした事はないけれど、陛下の皇太子時代からの妃。
陛下は主に姜賢妃様と皇后様のどちらかと共にされると聞いた。
後宮内では、身体が弱い皇后様より、姜賢妃様の方がお子を先に生まれるのではないかと言われている。
呂貴妃が住む散妃ノ宮にも、女官を通じてその様な話は広がっているだろう。
呂貴妃にとって、陛下のお子が出来れば、恢長公子の帝位がさらに遠退く。
姜賢妃が懐妊する前に、必ず陛下の命を狙ってくるはず。
陛下の寝所である黄麟殿の入り口には、壁内侍と数名の宦官が夜明けまで待機する。
宦官はきっと、汪軍妃官の軍の者だろう。
そしてさらに私も入り口で警護をする。
黄麟殿の四方を取り囲む様に、悒雉・崙矣・晏惟・梛犀が警護。
一見、十分な配備に見えるが
呂貴妃も後宮にいる者だ。
それくらいの事は知っていて分かってる。
手練れ者数名を仕向けてくるに違いない。
一時たりとも気は抜けないだろう。