四面楚歌-悲運の妃-


この黄麟ノ宮に来ての、初めての警護。


何もなければそれ幸い。


しかし、今まで数人だった妃達が軍妃を入れて多くなった。


今の所は姜賢妃だけが、懐妊の可能性が高いとはいえ


陛下のお呼びが数人になり、お子が何人もお生まれなれば、さらに呂貴妃にとっては不愉快であり、目障り。


そうなる前に…と考えているはず。



一緒に警護する宦官や壁内侍…そして悒雉達・四天王にも、傷を負わせたくない。



今の私には風・生の属性の力は使えない。


しかし聖人の村で取得したものは、属性を上手く使う事と剣術だけではない。



五行の力をも幼い頃から使い、鍛練してきた。


聖七神であり[生]を属性とする私は、他の聖人より特に、この世の万物をも味方にする事が出来る。



けれど[生]とは皮肉なモノで、生きも死も両方司る。


私は陰中の陽でもあり、陽中の陰でもある。



私は白でもあり…黒でもある…


陛下を守る為なら、私は黒にもなる。


五行の力を使えるモノは、聖人を含めてもそう多くはいない。


ただの山育ちの娘が…五行の力を使えばおかしいと思うだろう。


出来れば使いたくはない。


< 64 / 390 >

この作品をシェア

pagetop