四面楚歌-悲運の妃-
ドサリと木の上から落ちる。
それと同時に、私も木の上から降り、辺りを見回し他に刺客がいないか確認する。
地獄絵図の様なその光景に、かつて見た戦の光景と重なり胸が痛む。
この酷さが嫌で聖人の村を出たハズなのに…陛下をお守りする為には避けては通れない。
『ケガはございませんか?』
陛下に駆け寄り言う。
「私は大事ない。しかし…そなたは不思議な娘だ。五行の力をも使えるとは…。どの様に生きて来たのか…ますます私の興味が増す。だか、聞かないでおこう。今宵はそのおかげで命が助かった。」
その言葉にハッとなる。
そうだった…
五行の力を使ってしまった。
けれど、陛下は聞かないでいてくださるのですね…。
私が深く頭を下げると、私に笑い返し、壁内侍の元に行く。
「壁内侍。宦官達に刺客の亡骸を片付ける様申し付けを頼む。後、部屋の中にいる姜賢妃が自室に戻る付き添いを頼む。」
そう指示すると、壁内侍と宦官達はすぐ動きだす。
その様子を立ち尽くしたまま見守る。
「冥紗…。大丈夫?」