四面楚歌-悲運の妃-



ドサリと木の上から落ちる。


それと同時に、私も木の上から降り、辺りを見回し他に刺客がいないか確認する。


地獄絵図の様なその光景に、かつて見た戦の光景と重なり胸が痛む。


この酷さが嫌で聖人の村を出たハズなのに…陛下をお守りする為には避けては通れない。



『ケガはございませんか?』


陛下に駆け寄り言う。

「私は大事ない。しかし…そなたは不思議な娘だ。五行の力をも使えるとは…。どの様に生きて来たのか…ますます私の興味が増す。だか、聞かないでおこう。今宵はそのおかげで命が助かった。」


その言葉にハッとなる。


そうだった…


五行の力を使ってしまった。


けれど、陛下は聞かないでいてくださるのですね…。

私が深く頭を下げると、私に笑い返し、壁内侍の元に行く。


「壁内侍。宦官達に刺客の亡骸を片付ける様申し付けを頼む。後、部屋の中にいる姜賢妃が自室に戻る付き添いを頼む。」


そう指示すると、壁内侍と宦官達はすぐ動きだす。



その様子を立ち尽くしたまま見守る。



「冥紗…。大丈夫?」



< 69 / 390 >

この作品をシェア

pagetop