恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて
「あぁ〜‼︎そっか‼︎
ひよりは知らないもんね‼︎
あのね、この2人双子なの‼︎」
「双子⁉︎」
未玖の言葉を聞いて、
初めて納得した。
だよね、じゃなきゃ
こんな同じ顔の人が
いるはずないもん…。
「あたし達と同じクラスの、
ちょっと無愛想に見えるのが
高崎 紫音(たかさき しおん)で、
朝ひよりが会った優しい〜方が
高崎 凛音(たかさき りおん)‼︎
一卵性双生児だから、ぱっと見は
同じに見えるけど慣れたら
ちゃんと見分けつくから
心配ないよ〜♪」
未玖はそう言うと、
私に分かりやすいように
説明してくれた。
「例えばね〜
紫音は赤茶色の髪の毛で
凛音は綺麗な茶色。
ま、性格ですぐ見分けられる
けどね〜。ね⁇紫音⁇(笑)」
「うっせ。凛音みたいな
キザ野郎にはなりたくねー。」
「はいはい。俺は紫音みたいに
女の子はいじめない主義なの。
みーんなに優しく平等なの。
ね⁇ひよりちゃん♪」
「ふぇっ⁉︎
え、あ、はい⁇」
同じ双子なのに、
こうも性格が真逆なんて。
ちらっ。
紫音くんの方を
横目で見てみる。
「ちっ。見んなよひよこ。」
「なっっっっ‼︎‼︎」
すると紫音くんはそう言って、
私を睨んだ。
怖い‼︎嫌だ‼︎無理‼︎
初日から、私の紫音くんに対しての
印象は最悪になった。