恋のかけ引きはいつも甘くて切なくて
「しーおんくんっ♪」
「凛音くーん‼︎‼︎」
ー‼︎ー
その時だった。
私が紫音くんから目を背けた直後、
背後からの黄色い声援が廊下に響く。
「「きゃ〜‼︎‼︎」」
どこから現れたのか、
紫音くんと凛音くんの周りは
学校中の女子で溢れかえっていた。
「わっっ‼︎」
その勢いに圧倒された私は、
一瞬で蚊帳の外となった。
す、すごいっ…。
何この人混み…。
「ひより〜‼︎こっち、こっち‼︎」
「未玖〜っ‼︎」
状況が理解出来ていない私を
未玖が人混みの中から
手を引いてくれた。