【完】『空を翔べないカナリアは』

出されたコーヒーを手に、

「でも貴慶は小樽にいた時期があるんだよね?」

美優が覗き込んだ。

「小学校の二年間だけやけどな」

「小樽かぁ…私の彼氏、実家たしか小樽だよ」

「世の中広そうで狭いな」

美姫はツーショットの写真を見せてくれた。

「今度は何か小動物みたいで、かわいらしい感じの彼氏だねー」

美優はなんとなく言った。



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