【完】『空を翔べないカナリアは』
明日は休みという夕方、
「ちょっと買い出ししてくるで」
と貴慶はいつもの黄色のバイクで外出した。
駅前のスーパーまでなので、都合小一時間ほどで帰るはずである。
しかし。
二時間近く過ぎて、日没になっても帰らない。
美咲をリサに預け、探しに行こうとした出鼻に、美優の携帯電話が鳴った。
三崎の警察署からである。
「白川貴慶さんのご家族の方の携帯ですか?」
という言葉で最初は詐欺かと取り合わなかったが、やがて駅前の交番から警官が来ると、何か貴慶に起きたと美優は察した。