優しい魔女は嘘をつく

教室の中を漂泊するなんともいえない自然の香りが、とても心地良い。




胸一杯に吸い込むと、少し冷えた空気が体の中に入ってくる。



息を吐くと、体の中にこもっていたもわもわした空気が消えて、芯から清められていくような、そんな感じがした。




机の引き出しに片手を突っ込んで、昨日入れた手紙を探す。




でも、




「……あれ……?」




すぐにそれが見当たらないことに気づき、私は驚いてもう片方の手も突っ込んだ。




どれだけ探しても、引き出しの中を覗いてみても、そこには何も無かった。



どういうこと?



昨日確かに私は、引き出しの中に手紙を入れて…………って、あれ?入れたっけ?





…………昨日、あれからどうしたんだっけ?

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