優しい魔女は嘘をつく
私はアドバイスしただけで、結局台詞を言ったのは咲良だった。
そういう点で私は、なにもしていないのと同じ、ということになる。
誰の目にも映っていなかったんだ、私は。そして、咲良と堂本くん以外は、″私″の言葉を聞いていなかった。
私は一体、何なんだろう。
……何がしたいんだろう。
堂本くんが扉を開けて、倉庫の中に入る。
私も続いて中に入り、堂本くんが箱を置く場所を探し始めた時だった。
────ズキン。
突如頭に痛みが走り、私は顔をしかめた。
「痛っ……」