優しい魔女は嘘をつく


「何?」




ひぎゃああああああ!心の中の自分が断末魔の悲鳴に似た声を上げる。



血液が逆流しているんじゃないかと思うぐらい、体が異常に熱い。




いつの間にか、教室にいるのは私と堂本くんだけになっていた。




「……さっきから、なんでそんなにソワソワしてんの?」



「え、あ、あ、えっと。その……」





落ち着け、落ち着け。


心の中で何度もそう自分に言い聞かせて、私は勇気を振り絞って言った。




「さ、さっきは……ごめんなさい」



「……」



「堂本くんと先生の会話、聞いちゃったから……ほ、本当にごめんなさい」




私は頭を下げて、ぎゅっと目を瞑った。
< 38 / 301 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop