優しい魔女は嘘をつく

先生が口にした、”二学期中”、という言葉が重く体にのしかかってくる。




チャイムが鳴り、SHRが終わると、咲良はゆっくりと私の席に近づいてきた。





「ごめん、部活、あるから……」





咲良は小さな声で私にそう言い、「ファイト」と握り拳を見せてから、教室を去っていった。



前の席には、堂本くんがいる。今、彼はどんな顔をしているんだろう。



……よし、確認しよう。




チラッと見るだけ。チラッと見て、目をそらせば、きっと大丈夫だ。





一つ息を吐いて、思い切って顔を上げると……





彼はスマホを片手に、怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた。




視線が交わり、一気に鼓動が加速する。


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