主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-③
息吹は百合の面倒を見つつも晴明に薬を処方されていた。
母が心配なのもあるが、実際の所目論見があった。
「息吹…また眠れないのかい?」
「父様…うん、眠れないっていうか眠りが浅くて」
ほぼ百合は寝たきりの状態で、傍に座っていた息吹の隣に座った晴明は、息吹の肩を抱いてもたれ掛からせた。
「眠れるように薬を煎じてあげよう。だけれど常用してはいけないよ」
「はい、ありがとうございます。…ねえ父様…主さまに会いたいな」
晴明は眉を上げて切れ長の目元を緩めると、意図的にそうしている主さまが今なにをしているのか真意を伝えることができずに子をあやすように背中を小さく叩いてやった。
「あれはあれで忙しそうだよ。そなたも感じ入ることがあるのだろうが、私もよくは知らないけれど、きっと家のことなのだろう。落ち着いたら会いに来るだろう」
「私のこと…怒ってるのかな」
「何故だい?」
「朔ちゃんたちを置いてお母さんの傍に居るから。あんなに小さい子たちを放っておいてるから…私に嫌気がさしたのかな」
思わず笑い声を上げた晴明は、息吹が唇を尖らせて抗議してきたため何度も首を振ってそこだけは正直に答えた。
「天地がひっくり返ったとしてもそれはないだろうねえ。あ奴はそなただけは守り抜くと自身に誓っている男だよ。そしてこの国で一番強い男だ。そなたに惚れぬいている。無用な悩みというものだ」
――なんだか恥ずかしくなって息吹が頬を赤く染めると、晴明は腰を上げて息吹の頭を撫でた。
「薬を煎じてこよう。そなたも少し気を抜きなさい。そうでないとそなたの方がもたぬ」
「はい。迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「ふふ、私に礼は無用だよ、愛娘に頼られたのだから全力で応えるのが親の務め故」
ありがたかった。
皆が協力してくれて、子供たちも文句ひとつ言わない。
だけれど――確かめなければ。
あの夢のこと…
そして主さまが隠そうとしていることを。
母が心配なのもあるが、実際の所目論見があった。
「息吹…また眠れないのかい?」
「父様…うん、眠れないっていうか眠りが浅くて」
ほぼ百合は寝たきりの状態で、傍に座っていた息吹の隣に座った晴明は、息吹の肩を抱いてもたれ掛からせた。
「眠れるように薬を煎じてあげよう。だけれど常用してはいけないよ」
「はい、ありがとうございます。…ねえ父様…主さまに会いたいな」
晴明は眉を上げて切れ長の目元を緩めると、意図的にそうしている主さまが今なにをしているのか真意を伝えることができずに子をあやすように背中を小さく叩いてやった。
「あれはあれで忙しそうだよ。そなたも感じ入ることがあるのだろうが、私もよくは知らないけれど、きっと家のことなのだろう。落ち着いたら会いに来るだろう」
「私のこと…怒ってるのかな」
「何故だい?」
「朔ちゃんたちを置いてお母さんの傍に居るから。あんなに小さい子たちを放っておいてるから…私に嫌気がさしたのかな」
思わず笑い声を上げた晴明は、息吹が唇を尖らせて抗議してきたため何度も首を振ってそこだけは正直に答えた。
「天地がひっくり返ったとしてもそれはないだろうねえ。あ奴はそなただけは守り抜くと自身に誓っている男だよ。そしてこの国で一番強い男だ。そなたに惚れぬいている。無用な悩みというものだ」
――なんだか恥ずかしくなって息吹が頬を赤く染めると、晴明は腰を上げて息吹の頭を撫でた。
「薬を煎じてこよう。そなたも少し気を抜きなさい。そうでないとそなたの方がもたぬ」
「はい。迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「ふふ、私に礼は無用だよ、愛娘に頼られたのだから全力で応えるのが親の務め故」
ありがたかった。
皆が協力してくれて、子供たちも文句ひとつ言わない。
だけれど――確かめなければ。
あの夢のこと…
そして主さまが隠そうとしていることを。