主さまの気まぐれ-百鬼夜行の王-③
子供たちは主さまと違っておしゃべりが好きだ。
自分に似て快活な子たちが多く、特に朔と輝夜のふたりが揃うと協力して雪男にいたずらをして何度も怒られながらめげずに挑んで行く様はいつも息吹を和ませていた。
だが今日は輝夜ひとり。
平安町の繁華街を手を繋いで歩き、幽玄町とは違う品揃えにふたりであれこれ言いながら買い物をして、駄菓子屋の前で足を止めた。
「ね、こんなのあっちに売ってないでしょ?朔ちゃんたちに持って帰ってくれる?」
「はい。でも…母様と食べたいな…」
「ごめんね…私のお母さんはもう長くないから傍に居てあげたくて。それに主さまも忙しそうだし」
輝夜は豆菓子を頬張りながら、地下の件でいらいらしつつも調べものをしている父を思いながらやはり息吹には話せず話を逸らした。
「お祖母様に庭で咲いているお花を摘んで持っていきたいんですけど、今度持ってきてもいいですか?」
「うんいいよ、お願いね」
――息吹がそうして輝夜と談笑している頃、幽玄町の屋敷では読み物が苦手…苦手というよりも嫌いな主さまは、大量の書物に囲まれて辟易していた。
「…俺は以前当主になる時一度読んだんだ。二度読む意味が分からない」
「どうせぱらぱらっとしか見てないんだろ?ちゃんと読め!ちゃんと座って読め!」
蔵に連れ込まれてしまった雪男が不平を言う主さまに雷を落とすと、やや唇を尖らせながらふてくされた主さまは下弦が封じた書物の封印が解けないことに苛立ちを感じていた。
「何故直系の俺に封印が解けないんだ?代々の当主は一体何をしていたんだ」
「八つ当たりすんなよ。きっとなんでも知ってる晴明が解決してくれるって」
「…あれは我が家の者じゃない」
「俺だって違うけど?あのさ、俺だって息吹に会えずにいらいらしてんの。さっさと解決して帰って来てもらおうぜ」
「…俺の嫁に会いたいとかぬかすな」
独占欲が強く、態度は常に横柄。
しかしそんな主さまの態度に慣れている雪男は完全に無視してまた書物に目を落とした。
自分に似て快活な子たちが多く、特に朔と輝夜のふたりが揃うと協力して雪男にいたずらをして何度も怒られながらめげずに挑んで行く様はいつも息吹を和ませていた。
だが今日は輝夜ひとり。
平安町の繁華街を手を繋いで歩き、幽玄町とは違う品揃えにふたりであれこれ言いながら買い物をして、駄菓子屋の前で足を止めた。
「ね、こんなのあっちに売ってないでしょ?朔ちゃんたちに持って帰ってくれる?」
「はい。でも…母様と食べたいな…」
「ごめんね…私のお母さんはもう長くないから傍に居てあげたくて。それに主さまも忙しそうだし」
輝夜は豆菓子を頬張りながら、地下の件でいらいらしつつも調べものをしている父を思いながらやはり息吹には話せず話を逸らした。
「お祖母様に庭で咲いているお花を摘んで持っていきたいんですけど、今度持ってきてもいいですか?」
「うんいいよ、お願いね」
――息吹がそうして輝夜と談笑している頃、幽玄町の屋敷では読み物が苦手…苦手というよりも嫌いな主さまは、大量の書物に囲まれて辟易していた。
「…俺は以前当主になる時一度読んだんだ。二度読む意味が分からない」
「どうせぱらぱらっとしか見てないんだろ?ちゃんと読め!ちゃんと座って読め!」
蔵に連れ込まれてしまった雪男が不平を言う主さまに雷を落とすと、やや唇を尖らせながらふてくされた主さまは下弦が封じた書物の封印が解けないことに苛立ちを感じていた。
「何故直系の俺に封印が解けないんだ?代々の当主は一体何をしていたんだ」
「八つ当たりすんなよ。きっとなんでも知ってる晴明が解決してくれるって」
「…あれは我が家の者じゃない」
「俺だって違うけど?あのさ、俺だって息吹に会えずにいらいらしてんの。さっさと解決して帰って来てもらおうぜ」
「…俺の嫁に会いたいとかぬかすな」
独占欲が強く、態度は常に横柄。
しかしそんな主さまの態度に慣れている雪男は完全に無視してまた書物に目を落とした。