政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「……彩乃……ベッドに行こうか?」

将吾さんがわたしの耳元で甘く、(ささや)いた。

カウチソファとオークの無垢材のローテーブルの向こうには、コンランブルーのベッドスプレッドに覆われたクィーンサイズと思われるベッドがあった。

……ま、まずい。

「あ…あの……その件につきましては、ちょっと申し上げなければならないことが……」

わたしのいきなりの言葉に、将吾さんが眉を(ひそ)める。

「その件って、どの件だ?
それに、なんでいきなり敬語になるんだ?」

……ですよね~?

「おれたちは、結婚するんだ。
キスの相性はお互いこんなに良いんだ。
カラダの方の相性も、一緒に試してみてもいいんじゃないか?」

将吾さんはカフェ・オ・レ色の瞳で艶っぽくわたしを見つめる。
色気がダダ漏れして、半端ない。


……いや、でも、それは、どうでしょうか?

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