政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「彩乃、そのイヤリングも、エンゲージと同じシリーズだよね?」
蓉子がわたしの両耳で輝く、ピヴォワンヌのイヤリングを見ている。つけただけで顔周りが華やかになり、こういう晴れやかな席ではほんとにお役立ちなイヤリングだった。
「そうよ。『おまけだ』って言われて、リングと一緒にもらったの」
美しい蓉子の顔が、突然ムンクの叫びになった。
「彩乃っ、そのイヤリングいくらするか知ってんの!?」
蓉子がいきなりスマホを手にして「無粋なことしてごめんねっ」と言って、タップを繰り返す。そして、ディスプレイを見せられる。
【ピヴォワンヌ イヤリング ¥820,800】
……ぎええぇぇ……っ!?
絶対に、落とさないようにしなければっ!!
わたしは両耳を押さえた。
「ねえちゃん、将吾さんからすんげぇクリスマスプレゼントをもらって、やっぱちゃんと愛されてんじゃん」
裕太がにやにや笑っている。
クリスマスプレゼントは婚約指輪だと、将吾さんは言っていたのに……
……なんだか、誤解が逆走して暴走してるんですけれども。