政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

「将吾さん、なんで、ここがわかったの?」

……まずは、それを訊かなければ。

「おまえの実家に電話して、とりあえずおまえが頼りそうな人物を割り出し、所在地を洗い出した」

……えっ!?

「おまえの幼稚園時代からの親友とかいうのが東雲。会社の同僚の大橋が田園調布で、水野は赤坂見附。水島が代官山で、実家が南平台、妻の実家は目白。上條が月島で、実家が広尾、妻の実家は成城学園。朝比奈 太陽は中目黒、実家は水島の妻と同じ」

将吾さんがすらすらと地名を並べた。

「おれのおふくろが、おまえがタクシーで『尾山台まで』って言ってたと言うから、深夜のおまえが頼るのはその周辺のはずだ。同じ世田谷の成城学園が近そうだが、上條の妻は結婚してからは隅田川沿いの月島で住んでいる」

……た、探偵っ!? す、推理してるじゃん!?

「そして、世田谷区と太田区とで区は違うが、実は尾山台と田園調布がほぼ隣接しているのに気づいた」

……こ、コナンなのっ!?

「決定的だったのは、大橋だけがいくら電話しても出なかったことだ」

……だって、一緒にオーパス・ワンで「ビバ」ってたんですもん。

「キャリーバッグ、貸せ。持ってやる」

将吾さんから手を差し伸べられる。

「将吾さん、今日、仕事のはずだったの?」

わたしはキャリーバッグをダークグレーのスリーピースの彼に預けた。オーダーしたヒューゴ・ボスの中でも、大切な商談のときに着ているスーツだった。

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