政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

パウダールームなどがある、さらにその奥へ進んだ将吾さんは、そこにあった扉を解錠した。
するとそこは、がらりと雰囲気が変わった空間だった。

やっぱり、なにも置いていない「空間」であるには違いないが、将吾さんはそこで靴を脱いだ。わたしも(なら)ってブーティを脱ぐ。

そして、ウォーキングクローゼットとパウダールームを抜けて、ある部屋に入った。

その部屋にだけはたった一つ、家具があった。
ベッドだった……それも、キングサイズの。

「こっちの方はプライベートルームだ」

将吾さんがひさしぶりに口を開いた。

ということは……ここは「プライベートルーム」の「ベッドルーム」ということか。

……って、だれの?

わたしは犬のような目で将吾さんを見た。
気分はパトラッシュだ。

「……彩乃」

将吾さんが静かにわたしを見た。

「最低なことを言っていいか?」

……あっ、最後にわたしのことを罵るわけねっ。海洋と一緒に暮らしてたわたしを、きっと「アバズレ女」扱いするに違いないっ!

わたしは身構えた。

すると、将吾さんは静かにわたしに告げた。

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