政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

わたしの瞳に、じわり、と涙が浮かんだ。

「……彩乃、イヤなのか?」

気がついた将吾さんが、不安げに瞳を揺らしながら尋ねる。

わたしは首を振った。
違う……この涙は悲しい涙ではない。

……うれしい涙、だった。

将吾さんの心にだれが棲んでいようとも……
今、目の前にいるのはこのわたしで……
彼にこんなにも、このカラダを求められている。

そして、わたし自身が自ら……ようやく彼のものになろうとしている。


……たとえ、それがたった一回限り、であったとしても。

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