政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「あれは、わかばの『自爆テロ』だ。
あいつがおれを好いてくれているのはわかっていたが、おれにとっては『妹』っていうより『姪っ子』くらいの感覚だな」
そういえば……以前『副社長が好きです!』と告白りながら突撃してくる「自爆テロ」の話をしていたな。
「彩乃の部屋で物音がしたから、もう帰ってきたのかと思って行ったら、わかばがベッドメーキングしていて、いきなり押し倒された」
わかばちゃんはああ見えて、実は合気道の有段者なのだそうだ。たぶん、VIPである将吾になにかあったときにボディガードできるように、護身術を習ったんだろう。
「……なにか長い棒でもあったら、防げたんだけどな」
将吾が渋い顔でぽつり、と言った。
なんでも、学生時代にフェンシングをやっていて、オリンピックの強化選手に選ばれそうになったくらいの腕前だそうだ。
「見合いのときの釣書に書いてあっただろ?」
将吾が横目で、じろりとわたしを見た。
釣書なんてろくに見ていなかった。
……それにしても。
わかばちゃんは本当に、海洋を好きだった頃のわたしにそっくりだ。
彼女が将吾を押し倒したときの切羽詰まった気持ちは、中学生のわたしが高校生だった海洋の理性をぶっ飛ばしたキャミとショーパンを身に着けたときと同じだ。