政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
将吾が島村さん一家の話をしてくれた。
そもそも、お母さんの静枝さんと将吾のお父さんは、中学校の同級生だったらしい。
「実は、静枝さんは親父の初恋の相手で初カノだ。おふくろには絶対に言うなよ。ヤキモチ焼きでめんどくさいからな」
静枝さんは大人になり結婚して、島村さんを産んだが、ご主人を病気で亡くしてしまった。
その後、知り合った人と再婚して、わかばちゃんを産んだ。
その再婚相手(初婚でかなり歳下だったらしい)がどういうわけか働かなくなって、実子でない島村さんに暴力を振るうようになった。
たまたま、同窓会で再会した将吾のお父さんが事情を知り、家族三人とも家に連れて帰り、静枝さんにはハウスキーパーとして働いてもらうことになった。そして、速攻で弁護士を立てて、離婚を成立させたという。
当時、島村さんは中学生、わかばちゃんはまだ三歳だった。
「茂樹は世にも暗いガキでさ。目に絶望感が漂ってたな。わかばも他人に警戒して、初めは一言も喋らなかった」
そんな島村さんとわかばちゃんが徐々に、将吾に心を開いていった。
「おれはアメリカの学校に行ってたから、たまに帰国するのを楽しみに待っててくれて、一人っ子のおれは兄妹ができたみたいでうれしかった。わかばにはいろいろ土産を買って帰ったな」
将吾からのお土産を心待ちにしていたわかばちゃんの顔が目に浮かぶ。