政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

その翌日、副社長室の前室で島村さんから呼び止められた。

「昨日は、イヤな役目をさせてしまって申し訳ありませんでした」

唐突に、頭を下げられる。

「わかばにお灸を据えてもらって、ありがとうございました」

……あぁ、わかばちゃんに聞いたのね。

「本来ならば、兄である私が引導を渡さねばならないのに」

わたしは、首を振った。

……わかばちゃんはただ、恋をしただけだ。

「気になさらないでください」

これで話が終わるかと思ったら、まだじっと見つめられたままである。

「あ…あの……島村さん?」

普段、表情のない……特に会社では鉄仮面を被っているように無表情な彼が、微笑んでいた。

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