政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「彩乃、前に茂樹と来たとき、日本酒は呑まなかっただろうな?」
確か、あのときは……わたしは遠い目をして思い返す。
「ほぼ、ビールだったけど……最後に一杯だけ獺祭を呑んだ」
腰に回した手が頭に移動し、こんっ、とやられた。
「おまえ、日本酒呑むと見境なくなるんだから、おれがいるとき以外は絶対呑むなよ」
「……じゃあ、今日は将吾と一緒だから、いいんだ?」
わたしは将吾に身を寄せ、ふふっと笑った。
「おまえ、日本酒呑むと酔ってかわいくなるからな……今日は外苑前の方に帰るぞ」
そして、声を落として、わたしの耳を甘噛みするように囁く。
「……今晩は、覚悟しとけよ?」