政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
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その週の土曜日、松濤のおじいさまのアポが取れた。

将吾は自分一人でカタをつけるつもりだったのに、松濤のおじいさまは「彩乃と二人で来れば会ってやる」と(のたま)った。
仕方がないので、わたしも行くことになった。

まるで、江戸幕府の最後の公方(くぼう)(将軍)様である徳川慶喜公が、諸藩の大名を集めて大政奉還を行なった、二条城の二の丸御殿の大広間「一の間」のような広々とした座敷に、将吾とわたしは通された。

将吾は重要な商談のときに着用する、オーダーしたヒューゴ・ボスのダークグレーのスリーピースを着ていた。

わたしは、将吾とのお見合いや結納の折にまとった、菖蒲色の地に花薬玉や御所車などの吉祥文様が大胆に施された大振袖だ。

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