政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
給仕された玉露のお茶を飲んで待っていた。
すると、しばらくしたら、松濤のおじいさまが姿を現した。いつにも増して、不機嫌などころか忿懣やる方なし、の仏頂面でのご登場である。
この年代の人ではかなりの長身だ。
さすがに歳を経て肉は落ちてはいるが、なかなか立派な体躯であることには変わりない。
とても齢八十を超えているとは思えない。
圧倒的な威圧感だった。
床の間を背にして、大きな座椅子にどかっ、と座した。
わたしも将吾も思わず、座布団を外して脇にやり、きっちりと正座をしなおして、ははーっと平伏する。これでは、まるで「公方様の御目見」ではないか。
だけど、わたしたちのような「若造」が雰囲気に呑まれるのも無理はない。
この人の前では……この国の歴代の内閣総理大臣だって、冷や汗たらたらでご機嫌を取るのだから……