政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

給仕された玉露のお茶を飲んで待っていた。

すると、しばらくしたら、松濤のおじいさまが姿を現した。いつにも増して、不機嫌などころか忿懣(ふんまん)やる方なし、の仏頂面でのご登場である。

この年代の人ではかなりの長身だ。
さすがに歳を経て肉は落ちてはいるが、なかなか立派な体躯であることには変わりない。
とても齢八十を超えているとは思えない。
圧倒的な威圧感だった。

床の間を背にして、大きな座椅子にどかっ、と座した。

わたしも将吾も思わず、座布団を外して脇にやり、きっちりと正座をしなおして、ははーっと平伏する。これでは、まるで「公方(くぼう)様の御目見(おめみえ)」ではないか。

だけど、わたしたちのような「若造」が雰囲気に呑まれるのも無理はない。

この人の前では……この国の歴代の内閣総理大臣だって、冷や汗たらたらでご機嫌を取るのだから……

< 469 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop