政略結婚はせつない恋の予感⁉︎
「むしろ……彩乃をキズモノにしたのは」
改まっていた将吾の口調が、急にぞんざいな普段の物言いに変わる。
「……おれですよ」
……ちょ、ちょっとっ!
二人だけのときならいざ知らず、こんなとこでなに言ってんのよっ!?
「古いお方なら『毎晩、同衾している』と言った方がわかりやすいですかね?」
将吾は表情をまったく変えずにしれっと言った。
「今さら、ほかのカラダでは満足できません。
おれだけじゃなく……こいつもですよ」
……やーめーてえぇーーーっ!
「顔から火を噴く」っていうのはこういうことでございます、という見本のように、わたしの顔は真っ赤っかになった。
……あぁ、もう一生、松濤のお屋敷の敷居は跨げない。
松濤のお屋敷の敷居がチョモランマになってしまった。