政略結婚はせつない恋の予感⁉︎

副社長がベッドに身を投げ出すように寝ている。
一八五センチはある長身の彼には、ビジネスホテルにあるようなシングルベッドでは脚がはみ出そうだ。

……これは、まずい。

あわてて、じりじりと後ずさりしながら、そーっとドアを閉めようとすると、

「……あんた……おれの寝込みを襲いに来たのか?」

低い(かす)れた声がした。

わたしの背中に、びくびくっ、電流が走った。

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