か・て・き・ょ♥️



「ちょ、ちょっと紗枝!…せっかく誠治と……」


「いいの。………ありがとうね」


「…っ!!」



誠治には聞こえないように、私たちだけの秘密だから。

ボソッと言って、紗枝は私に微笑んだ。



胸がキュウッと苦しくなった。



「よし、じゃあ決まり!よし、乗るぞ!」





この能天気男め…!





気分良さそうにルンルンと歩いている誠治の背中をじっと見つめていたけど、さっきの紗枝の笑顔を信じて、私は多少の後ろめたさを振り切って、飛行機に搭乗することにした。












隣の席の誠治はめちゃくちゃ元気にはしゃいで、



「おい、安田!雲の上だぞ!」



とか、



「建物が豆粒みたいだな!」



とか…


とにかく子供みたいだった。



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