『ツインクロス』番外編
「どうした?唯花。急に走り出したりして。何かあったのか?」
「あ。ううん、何でもないの」
私の横には、久賀くんとは比べ物にもならない程の三流の男。
以前、街を歩いてた時にナンパされて何となしに付き合っているだけの男だった。
この辺りでは、それなりに顔の利く名の知れたワルらしく、従えているチンピラみたいなのが何人もいるのを知っている。
そんな普段は威張り散らして歩いているような男だが、存外私にはゾッコンなので、そういうのも悪い気はしないかなって。本当にその程度。
(あ…でも、そうか。その手があった!)
我ながら名案が浮かんじゃった。
「ねえ、あんたさ…私のこと、好き?」
甘えを含ませながら上目遣いで男を見上げる。
「何だよ?急に改まって…。いつも言ってるだろ?俺はお前に惚れてんだ。お前の為なら俺は何だってしてやるぜ?」
出た。いつもの口癖。
「ふふ…。それなら、ひとつ唯花のお願いを聞いてくれる?」
「ん?何だ?」
「あのね…。連れてきて欲しいコがいるの」
男の大きく太い節くれ立った指に自らの指を絡ませると、おねだりするように首を傾げて微笑んだ。
「何だよお前…。可愛いヤツだな」
単純な男は、これで意のままに操れるのだから容易い。
「それって女だろう?随分と簡単なお願いだが、何だ?お前、気に食わねえダチでもいんのか?」
「ふふ…。まあ、そんなところかな。少し位手荒な真似しちゃっても構わないから、私のところに連れて来て欲しいの。よろしくね」
唯花は楽し気にクスクスと笑うのだった。
「あ。ううん、何でもないの」
私の横には、久賀くんとは比べ物にもならない程の三流の男。
以前、街を歩いてた時にナンパされて何となしに付き合っているだけの男だった。
この辺りでは、それなりに顔の利く名の知れたワルらしく、従えているチンピラみたいなのが何人もいるのを知っている。
そんな普段は威張り散らして歩いているような男だが、存外私にはゾッコンなので、そういうのも悪い気はしないかなって。本当にその程度。
(あ…でも、そうか。その手があった!)
我ながら名案が浮かんじゃった。
「ねえ、あんたさ…私のこと、好き?」
甘えを含ませながら上目遣いで男を見上げる。
「何だよ?急に改まって…。いつも言ってるだろ?俺はお前に惚れてんだ。お前の為なら俺は何だってしてやるぜ?」
出た。いつもの口癖。
「ふふ…。それなら、ひとつ唯花のお願いを聞いてくれる?」
「ん?何だ?」
「あのね…。連れてきて欲しいコがいるの」
男の大きく太い節くれ立った指に自らの指を絡ませると、おねだりするように首を傾げて微笑んだ。
「何だよお前…。可愛いヤツだな」
単純な男は、これで意のままに操れるのだから容易い。
「それって女だろう?随分と簡単なお願いだが、何だ?お前、気に食わねえダチでもいんのか?」
「ふふ…。まあ、そんなところかな。少し位手荒な真似しちゃっても構わないから、私のところに連れて来て欲しいの。よろしくね」
唯花は楽し気にクスクスと笑うのだった。