異世界征服
「並行世界として別れたのは、科学の発達か魔法の発達かなの」
科学か魔法か……確かに、異世界を体験した奴への論としては、おおよそ辻褄はあっている。
「つまりこっちは科学、ディスは魔法が発達した世界、と」
「そう」
彼女は短い同意を示した。
「ディスでは使う魔法のことを、プロって言ってた」
「プロ?」
魔法と共通的な中で、聞き慣れない単語だったため聞き返す。
「うん、プロテクションのこと」
プロテクション。
それすなわち、守護という意味。
魔法イコール守護というのに、その名の意味はあるんだと思う。
「じゃあ、お前があの時使ったのも?」
「そうだよ」
俺は記憶とプロ、プロテクションを結びつけた。
「一つ聞く。あの青いのは?“アイツら”って言ってたの」
それはディスに連れていかれた時、彼女が圧倒して倒した奴のことだ。
それの事を聞く時、俺は“アイツら”としか聞いたことがない。
「やっぱ言わなきゃだよね……」
小さな声で彼女が呟いた。
出来れば言いたくないことなんだろう。
「……あれは、元々ディスの民だったの」
そこには、哀しい顔をする彼女がいて、フリーズする俺がいた。
敵が、自分を襲って来る奴が、元々は仲間だったら、人はどう思うんだろう。
今の彼女みたく、哀しく思うのだろうか。
それとも仕方ないと、しっかり割り切るのだろうか。
俺は何も思わないのだろうか。
「けど、もうディスの民じゃないんだ。帝国の奴が来て、みんなを変えた。みんなは帝国の操り人形になったの。何度も色んな方法を試したけど無理だった……」
こういう時人は、何て声をかければいいのか。
少なくとも、俺はその言葉を知らない。
「それで神託をした」
神託とは。
神の意を伺うこと、また、その時伝えられた言葉の事。
科学か魔法か……確かに、異世界を体験した奴への論としては、おおよそ辻褄はあっている。
「つまりこっちは科学、ディスは魔法が発達した世界、と」
「そう」
彼女は短い同意を示した。
「ディスでは使う魔法のことを、プロって言ってた」
「プロ?」
魔法と共通的な中で、聞き慣れない単語だったため聞き返す。
「うん、プロテクションのこと」
プロテクション。
それすなわち、守護という意味。
魔法イコール守護というのに、その名の意味はあるんだと思う。
「じゃあ、お前があの時使ったのも?」
「そうだよ」
俺は記憶とプロ、プロテクションを結びつけた。
「一つ聞く。あの青いのは?“アイツら”って言ってたの」
それはディスに連れていかれた時、彼女が圧倒して倒した奴のことだ。
それの事を聞く時、俺は“アイツら”としか聞いたことがない。
「やっぱ言わなきゃだよね……」
小さな声で彼女が呟いた。
出来れば言いたくないことなんだろう。
「……あれは、元々ディスの民だったの」
そこには、哀しい顔をする彼女がいて、フリーズする俺がいた。
敵が、自分を襲って来る奴が、元々は仲間だったら、人はどう思うんだろう。
今の彼女みたく、哀しく思うのだろうか。
それとも仕方ないと、しっかり割り切るのだろうか。
俺は何も思わないのだろうか。
「けど、もうディスの民じゃないんだ。帝国の奴が来て、みんなを変えた。みんなは帝国の操り人形になったの。何度も色んな方法を試したけど無理だった……」
こういう時人は、何て声をかければいいのか。
少なくとも、俺はその言葉を知らない。
「それで神託をした」
神託とは。
神の意を伺うこと、また、その時伝えられた言葉の事。