異世界征服
戦う。
それは彼女にとってどういう事なのか。
仲間を成仏させるような事?
自分の世界を取り戻すため、敵として倒す事?
元通りを願う気持ちを紛らわす事?
どれも違う気がする。
ただ、故郷を想って本能のまま動いてる、そんな感じだ。
彼女がディスを想ってる気持ちは、見てればすぐわかる。
彼女にとってとても大切な場所なんだろう。
しかしその仲間が敵と化して、自分のそんな大切な場所を壊そうとしてる。
どんな心情なんだろう。
「槙くん、これ持ってて」
まだ少し、へにゃあとした彼女が、俺に指輪を手渡す。
それは、装飾品も何もついてない、シンプルな銀色の指輪。
「これは?」
俺は受け取って聞いた。
「魔力を人工的に造り出す道具。槙くんじゃ充分に魔力はあるだろうけど、まだ使いこなせないと思ったから。ディスにも行けるし、プロも出来るよ」
プロテクションは守護という意味だが、彼女らにとっては魔法とイコールなんだろう。
それにしても、文から察するにこれは。
「お前が作ったのか?」
まだ使いこなせないと思ったから、に述語を入れると、まだ使いこなせないと思ったから、作った。
そんな気がした。
「うん……こういうの得意なんだ!」
その気が当たった。
「そうか」
俺は感心しながら、指輪を右手の人差し指に嵌める。
そして、ふと思った事を口にする。
「光明ってこういうの禁止だ」
本日より入学した私立光明高校は、ピアスや髪染め、メイクや指輪は校則違反になっている。
それは、制服の身だしなみも例外ではない。
「じゃあ見えなくしよ」
彼女はそう言って、指輪の上に手をかざし、小さな光を出す。
今更光で動揺する俺ではなかった。
しかし、彼女が手を引いても、指輪は今まで通りに見える。
「これ、変わんないけど」
「他の人には見えないよ!大丈夫!」
彼女は大丈夫と言った。
「それから、出来る限り外さないでね。アイツら来たら通知なるから、光って」
俺は、ああ、と言って頷いた。
それから少し、彼女に簡単な魔法を教わった。
必要最低限として、ディスに行くものとシールドを張るもの、攻撃ものをいくつか。
翅は、意思と連動して生えるらしいから、戦う時はその気でねっ!とだけ言われた。
それは彼女にとってどういう事なのか。
仲間を成仏させるような事?
自分の世界を取り戻すため、敵として倒す事?
元通りを願う気持ちを紛らわす事?
どれも違う気がする。
ただ、故郷を想って本能のまま動いてる、そんな感じだ。
彼女がディスを想ってる気持ちは、見てればすぐわかる。
彼女にとってとても大切な場所なんだろう。
しかしその仲間が敵と化して、自分のそんな大切な場所を壊そうとしてる。
どんな心情なんだろう。
「槙くん、これ持ってて」
まだ少し、へにゃあとした彼女が、俺に指輪を手渡す。
それは、装飾品も何もついてない、シンプルな銀色の指輪。
「これは?」
俺は受け取って聞いた。
「魔力を人工的に造り出す道具。槙くんじゃ充分に魔力はあるだろうけど、まだ使いこなせないと思ったから。ディスにも行けるし、プロも出来るよ」
プロテクションは守護という意味だが、彼女らにとっては魔法とイコールなんだろう。
それにしても、文から察するにこれは。
「お前が作ったのか?」
まだ使いこなせないと思ったから、に述語を入れると、まだ使いこなせないと思ったから、作った。
そんな気がした。
「うん……こういうの得意なんだ!」
その気が当たった。
「そうか」
俺は感心しながら、指輪を右手の人差し指に嵌める。
そして、ふと思った事を口にする。
「光明ってこういうの禁止だ」
本日より入学した私立光明高校は、ピアスや髪染め、メイクや指輪は校則違反になっている。
それは、制服の身だしなみも例外ではない。
「じゃあ見えなくしよ」
彼女はそう言って、指輪の上に手をかざし、小さな光を出す。
今更光で動揺する俺ではなかった。
しかし、彼女が手を引いても、指輪は今まで通りに見える。
「これ、変わんないけど」
「他の人には見えないよ!大丈夫!」
彼女は大丈夫と言った。
「それから、出来る限り外さないでね。アイツら来たら通知なるから、光って」
俺は、ああ、と言って頷いた。
それから少し、彼女に簡単な魔法を教わった。
必要最低限として、ディスに行くものとシールドを張るもの、攻撃ものをいくつか。
翅は、意思と連動して生えるらしいから、戦う時はその気でねっ!とだけ言われた。