イケメン部 〜第1巻〜
小言で言ったため、この御影の言葉が聞き取れたのは楠見だけで、



「地元じゃないんだな」


「あぁ、はい…。まぁ、色々あって」


「あっそ。まぁ興味ねぇけどさ」


「それで良いです」



御影と楠見の間でしかこの話題は出なかった。



「……で、結論どうするんだぃ?」



改めて城津が部員に決断を委ねる。



「う~ん、困ったなぁ…」



腕を組み、顔を俯かせ考える佐々木の隣で、妙に目をギラつかせている男が居た。



「お…俺が…海空と…相合い傘を………!!」



西条永利だ。

西条はそう言うと、澪和の腕を強引に掴み、



「一緒に帰るぞ…!!!」



部室から飛び出て行った。


…もちろん澪和を共連れにして。
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